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(前回までのあらすじ)上演されました。
終演後、表彰式がありました。僕と島田さんは舞台に上がり、並んで立ちました。北海道舞台塾実行委員会委員長の磯田さんから、目録と、LEDで時計が浮かび上がる木の板を授与されました。先に島田さんが授与されたので、後の僕は島田さんの動きを完全に真似しました。僕は右にならう典型的な日本人です。
磯田さんからお祝いのお言葉をいただきました。「北海道戯曲賞を、九州のお二人が受賞されたというのは、この戯曲賞の特徴をよくあらわしていると思います。北海道というのは、広く、他を受け入れる度量を持ち合わせている土地であります。なのでお二人には是非、将来的に北海道に移住していただき、この土地で生活していただきたいと思います。」というような内容のお言葉をいただきました。緊張していたのと、けっこうな決断が必要な内容だったのとで、とりあえずにこにこしていました。見ていませんが、たぶん島田さんもにこにこしていました。
一言、コメントを求められました。コメントは僕が先でした。「これは島田さんからじゃないのか!」と思いましたが表情には出しませんでした。言い方も、真似するつもりだったのです。夕方、前田さんと話した、戯曲の弱点のことを何か話そうと思ってはいたのですが、極度の緊張で、すごくたどたどしくコメントしました。ここ何年かで一番緊張しました。客席上手にカメラが入っていたので、緊張している様をばっちり押さえられました。タケオキクチの青いジャケットを着た、極度に緊張している人が映っている映像は、見たくないと思いました。そのあと島田さんがコメントしていましたが、自分のコメントを後悔することに夢中だったので、聞けていません(すみません)。
表彰式のあと、アフタートークが行われました。メンバーは、前田さんと、審査してくださった斎藤さんと、島田さんと、僕です。前田さんと斎藤さんが、どういう経緯で受賞作を決めたのかという、選考課程のお話をしてくれました。僕の戯曲と島田さんの戯曲の、それぞれのいい所と、課題のようなものも、話してくださいました。僕の戯曲には、柱となるようなストーリーも、テーマのようなものも基本的にありません。なので見る人によっては、「なんだこりゃ。」となってもしかたのない戯曲です。中身がないならないで、見る人をリードするためのガイドが必要だし、また、その何もなさを強みにするには、もっと、何もない器におもちゃをたくさん詰め込んでほしい、というようなアドバイスをいただきました。すなおに納得しました。
もちろん、前田さんと斎藤さんのおっしゃったことと、僕の意図したこととの間には誤差があります。当然です。今回アドバイスをいただいたことで、言葉としてくっきりした分、僕が作品についてふわふわと思っていた、言葉にならないようなものは、自分でも取りこぼしてしまったような気がしてします。でも、それが戯曲が審査されるということであり、アドバイスを受けるということであり、そういうことを求めて戯曲を応募したのは僕自身です。そういうものなのだな、と思いました。
あと、前田さんも斎藤さんも、次年度以降も是非継続して戯曲賞を行ってほしい、という内容のことをおっしゃっていました。かでる2・7はとても広いホールで、中2階のような席もあり、キャパは500程度です。今回は後ろ半分の席はつぶしていたのですが、それでも空席の確認できる客入りだったのです。この客席が、満席になるような賞に盛り上がってこそ、意味があるのだ、ということを、前田さんは昼のトークでも、今回も、翌日のトークでもくり返しおっしゃっていました。僕と島田さんは、うなづきました。
前田さんから「お互いの作品を見て、どう思いましたか?」という質問を受けました。僕は「乗組員」について、僕のオリジナリティに基づいた、独自性を遺憾なく発揮したコメントをして、会場内の誰からも共感を得られませんでした。「乗組員」の含意が、まったく理解できていませんでした。島田さんすみません、僕、読解力ないんです。
ただ、僕も島田さんも共通して思ったのは、お互い、全然タイプのちがう戯曲を書くので、嫉妬はしなかったということです。僕は基本的に心がせまいので、すぐ他人の作品に嫉妬します。なんなら泊さんの作品にも嫉妬します。島田さんに対しても、広い意味でのライバル意識のようなものはありますが、上演を見ていて嫉妬するようなことはありませんでした。これは真似できない、と思ったのでした。でも数年後にはわかりません。僕が乗組員のようなものを書いているかもしれませんし、島田さんが悪い天気のようなものを書いているかもしれません。そうなったらおそらく、嫉妬します。
夜はまたご飯に誘ってもらい、ご一緒させていただきました。前田さんの行きつけのお店に行きました(2回行ったと言っていました)。行きつけのお店の前に、「内臓天国」という、おそらく焼肉屋ですが、どぎつい色合いとマッチョな男のイラストが目を引くお店があって、スルーしました。
初めて、山わさびというものを食べました。わさびなのですが、普通のわさびよりもすっきりしていて、鼻に軽くすっと抜ける感じがとても良いのです。タコの刺身につけて食べました。おみやげに買って帰ろうと思いました。他、白子ポン酢や、羊の肉を野菜と炒めたものを食べました。おいしかったです。お話もあれこれしましたが、けっこうディープな内容が多かったので、書けません。
ホテルに帰り、服を着替えたら、ぽろっと何かが落ちました。小エビです。夕方食べたお弁当に入っていたやつです。小エビをどこかにくっつけたまま、表彰されたのでした。
LEDで時計が浮かび上がる木の板の電源を入れてみました。さっきまで何もなかった木面に、LEDで「12:00」と表示され、おぉ、と思い、スマホで写真を撮りました。目録の写真も撮り、両親にメールしたら、深夜にもかかわらず返信がきました。喜ばれました。
時計の電源を入れたまま、日中電波が入らず確認できなかったキョロちゃんのツイッターを見たり、風呂に入ったりしていたら、時計の表示が「13:00」になっていました。あ、昼の表示だったのか、と思いました。
眠る前に妻に電話をし、愛を語らい…このくだりいりませんね。しねえよそんなこと。寝ました。
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